『キル・ビル』は2003~2004年にアメリカで公開されたアクション映画です。
監督はクエンティン・タランティーノ。『レザボア・ドッグス』(1992年)でデビューして以来、『パルプ・フィクション』(1994年)といったクセの強い作品を発表し続け、世界中でカルト的な人気を獲得している人物です。
主人公を演じるのはユア・サーマン。上述の『パルプ・フィクション』や『ガタカ』(1997年)などで知られる女優です。
当初は1本の映画として公開される予定でしたが、4時間を超える上映時間となったことから、前後編に分割されて公開されました。
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『キル・ビル』シリーズを見る順番と作品紹介
上述したように、『キル・ビル』シリーズはもともと1本の作品となる予定でした。したがって、そのストーリーも繋がっています。
かならず『キル・ビル vol.1』から順番に見るようにしましょう。
タランティーノ作品は上映時間が長くなる傾向にありますが、その冗長性が醍醐味とされています。時間を作って鑑賞しましょう。
キル・ビル Vol.1(2003年)
『キル・ビル』の前編にあたる作品で、2003年に公開されました。
アメリカ・沖縄・東京を舞台にした国際色豊かな作品で、アクションシーンには日本映画へのオマージュもあります。
結婚式を挙げていた女性(ザ・ブライド)は、かつて所属していた組織の襲撃を受け、夫とお腹の中にいた子を失います。それから4年後、事件後による昏睡状態から目を覚ました彼女は、すべてを奪った4人の襲撃者と、そのボスであるビルに復讐を誓います。
キル・ビル Vol.2(2003年)
『キル・ビル』の後編にあたる作品で。前作から約半年後の2004年に公開されました。
本作の舞台はアメリカ・中国・メキシコで、アクションが中心だった前作とは違い、ラブストーリーが盛り込まれることになりました。
前作で2人の襲撃者に復讐を果たしたザ・ブライドは、残る2人とボスのビルに復讐するためにアメリカを旅します。
『キル・ビル』シリーズのおすすめポイントは?
日本でも大ヒットを記録し、タランティーノ監督の代表作となった『キル・ビル』。これから観ようとしている人のために、本作のおすすめポイントを紹介します。
おすすめポイント①:タランティーノ監督の日本映画愛
タランティーノ監督のマニアックな映画愛を楽しむことが出来る本作ですが、なかでも日本映画へのオマージュは必見です。
たとえばユア・サーマンが日本刀を振り回すアクションシーンは『修羅雪姫』(1973年)を彷彿とさせます。この作品”修羅雪”を演じた梶芽衣子が歌う主題歌「修羅の花」も挿入曲として使用されています。
出演している日本人俳優も豪華。刀鍛冶の服部半蔵役に千葉真一が、殺し屋のボディガード・GOGO夕張役に栗山千明がキャスティングされています。
おすすめポイント②:ブルースリー的なアクションシーン
日本映画と同じように、香港映画へのオマージュも含まれている本作。
作中でユア・サーマンが着用することになるオレンジ色のスーツは、どう見てもブルース・リーの格好です。次々に登場する敵を倒していく話の流れも、彼のアクション映画を意識したものでしょう。
ちなみに本作のオープニングで登場するSBマークは、香港の映画会社ショウ・ブラザーズのトレードマーク。同社は香港のアクション映画を生み出した老舗スタジオとして知られています。
おすすめポイント③:復讐に燃えるヒロインの痛快な物語
タランティーノ監督のすごさは、こうした古今東西の作品からの引用を多分に盛り込みながら、一本の筋が通った物語をパズルのように組み立ててしまうストーリーテリング能力といえるでしょう。
一見するとツギハギだらけのように見える『キル・ビル』ですが、その中心にあるのは復讐の物語。このプロットが生き生きと輝いているので、どれだけ破天荒なキャラクターが登場しても安心して楽しむことができます。仇を取るたびに「残るは〇人」とテロップが表示される展開もアツい。
そこに金髪美女ユア・サーマンの魅力も重なり、『キル・ビル』は痛快な復讐の物語に仕上がったのです。
『キル・ビル』シリーズに最新作が?
タランティーノ監督のシネフィル的感性と日本映画への愛があふれ出た『キル・ビル』ですが、実は続編製作の話が持ち上がっているようです。
米ラジオ番組に出演したタランティーノは、「『キル・ビル Vol.3』は実現しそうですか?」の質問に「ちゃんと実現しそう」と答えたそうです。
主演のユマ・サーマンともすでに話し合ったそうで、まだ正式な決定ではないものの、数年後に製作する可能性はあるとのこと。
製作されるとなると、やはり物語はザ・ブライドのその後を描くことになるのでしょう。ひょっとしたらまた日本映画へのオマージュが噴出するかもしれませんし、日本人としてもぜひvol.3の公開を待ち望みたいところです。
まとめ
今回は『キル・ビル』シリーズを紹介しました。
かねてより「長編映画を10本撮ったら監督業を引退する」と話していたタランティーノ。2019年に公開された『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が9作目となっただけに、次の作品とその後の去就が気になるところ。
ファンとしては、まだまだタランティーノ節を堪能したい気持ちで一杯なのですが、どうなるのでしょうか?
まずは今回取り上げた『キル・ビル』シリーズの続報を待ちましょう。
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