宇宙から飛来した色は・・・ピンク!見た事もない宇宙色。
その隕石はピンク色の光を放ち、庭先に落下した。
『カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇』は、閑静な田舎に移り住んだ平和な家族の生活が庭先に落ちた隕石の衝突で終わりを告げ、極彩色の悪夢へと変わる様を描きます。
主演のニコラス・ケイジの演技が、やばすぎるとは?
原作のクトゥルー神話とは?
原作は、幻想小説の大家として知られるH・P・ラヴクラウトの「宇宙からの色」の短編小説を映画化したSFホラーです。
H・P・ラヴクラウトはアメリカの作家で、46歳で亡くなりましたが彼の書いた「クトゥルー神話」の一連の作品は神話体系という新しい分野を切り開き、後世の作家たちにも大きな影響を与えました。
クトゥルー神話とは、人類よりも強大な力を持つ宇宙生物が地球の支配権を巡って争い、その争いに巻き込まれる人類を描いた作品群のことです。
その内容は宇宙に関連する科学の知識を含み、地球以外に住む未確認生物との遭遇があり得るようなリアリティーがあります。
本作のサブタイトルに”遭遇”という言葉があるように、未確認生物との遭遇による恐怖が描かれます。
ビビットな宇宙色
ラヴクラウトの映画化された過去作で『襲い狂う呪い』では強烈な緑が強調され、単色でも言葉では言い表せないほどの宇宙色的ビビット感があり、本作でも「色」が主役と言っていいほど強調されています。
本作のリチャード・スタンリー監督は、過剰なまでの極彩色で描かれたイタリアン傑作ホラー『サスペリア』で知られるダリオ・アルジェントからの影響を受けたと言われており、自身の持ち味である「色」を主題とした演出が冴え渡っています。
あらすじ
アメリカ・マサチューセッツ州のアーカムの街から離れた、閑静な森の奥。
ガードナー家は、大都会の喧噪を逃れここに移り住み、穏やかに暮らしていました。
庭に放したアルパカの乳搾りや自然を満喫した生活に、ネイサン(ニコラス・ケイジ)や妻テレサ(ジョエリー・リチャードソン)と子供たちはノンビリ田舎暮らしの毎日です。
ネイサンは食事中家族の前で言います・・・「ここでの生活は理想的だ!夢みたいだ」、と。
しかし、そんなガードナー家の穏やかで平和な生活は前庭に墜落した隕石の激突で、悪夢の生活に変貌していくのでした。
ネタバレ
その隕石は、ピンク色の強い光を放ち周囲の森さえもピンク色に照らして行きます。
しかしその隕石は次の日に消え、大きな穴だけを残していました。
ネイサンは呟きます・・・「あんなに大きいものが、消えた? どこに消えたのだろう」
その後は、色々な怪奇現象が発生していきます。
庭に植えていたトマトや果物は異形化するし、家畜のアルパカは大食いになるし、子供は井戸にいる誰かと話していたりと、変な事ばかり発生していきます??
その不気味なな「色」はあらゆる場所に現れ、家族に奇妙な影響を与えていく!
以来、ガードナ一家は心と体に影響をおよぼす地球外変異体との闘いに明け暮れ、静かな田舎暮らしは恐怖の毎日となっていくのでした。
そしてラスト!・・・ネイサンがその銃口を向けた先には?!
宇宙から来た異性体の恐怖
1982年公開のSFホラー『遊星からの物体X』は、誰にも見えない・聞こえない・感じられない宇宙から飛来した”それ”の恐怖を描き、ラストでは人間に憑依したその生命体がグロテスクなモンスターとなって襲ってくるのです。
本作は宇宙から飛来した変異性の生命体 ”カラー”が果実や動物、そして家族に憑依し心と身体を蝕んでいく様が描かれます。
ニコラス・ケイジ×H.P.ラヴクラフト『カラー・アウト・オブ・スペース』宇宙的恐怖に満ちた予告編が公開#カラーアウトオブスペース #ニコラスケイジ #クトゥルフ神話 #ラヴクラフト #宇宙からの色https://t.co/pX6A4DdFvP
— 映画 – Movie Walker (@Movie__Walker) May 27, 2020
監督は、荒廃した近未来で殺戮兵器が暴れだすカルト映画を創り出した『ハードウェア』のリチャード・スタンリー監督が、約20年ぶりの大作となる超次元SFスリラーです。
本作は、シッチェス国際ファンタスティック映画祭2019では作品賞にノミネートされました。
ニコラス・ケイジの演技がやばい?
主演のニコラス・ケイジの堂に入った素晴らしき狂いぶりは必見で、本作でもアカデミー賞級?の過剰演技が見どころです。
2018年公開の『マッドダディ』では、狂った父親をハイテンションに怪演し鬼のような形相で我が子を襲う姿は、まさに演技を超えた”狂気“を感じさせるほどです。
本作でも極彩色の世界の中で、ケイジの狂気に満ちた演技が期待されます!
ラストで変異体と化したエイリアンとの死闘は、原作では憑依された馬ですが映画では飼っていたモサ可愛いアルパカがモンスターとなり、ニコケイモンスター?との対決が描かれます。
他、妻役で『レッド・スパロー』のジョエリー・リチャードソン、長女役で『好きだった君へのラブレター』のマデリン・アーサーらが顔を揃えています。
まとめ
ピンクカラーを放つ、謎の隕石が一家の運命を変えていく!
その隕石が庭先に墜ちてきたとき、平和な家庭は極彩色の悪夢にかわっていくのです。
主演のニコラス・ケイジの狂いぶりは必見です!
SFホラー『カラー・アウト・オブ・スペース』2020年7月公開
コメントを残す