少女はクラスの生徒投票で表彰されました! 「クラスで一番無口な子」・・・と、して。
ショックを受けた少女は、そんな自分を変えようと動画を投稿したりSNSでコンタクトをとろうとしたが全然うまくいきません・・・果たして彼女は人気者になれるのでしょうか?
『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』は、不器用で苦悩と葛藤を重ねながらも少しずつ成長していく “ぼっちガール“ の青春を鮮やかに描き出します。
エイス・グレードとは?
エイス・グレードとは、アメリカの小・中教育制度で中学校の最終学年=8年生を示し、年齢にすると大体13歳の年頃です。
本作の主人公ケイラ・ディは中学8年生の卒業を間近に控えた13歳の少女ですが、クラスの生徒投票で「クラスで一番無口な子」という不名誉な賞をもらい、ショックを受けます。
ケイラは本当の自分を認めてもらうために、SNS上に自撮り動画や写真を投稿しますが閲覧数や「いいね」も全く伸びず、これから待ち受ける高校生活も不安でいっぱいです。
本作はSNS時代の中に生きる一人の少女の葛藤を描き、リアルなライブ感とトレンド性に満ちた青春ドラマです。
あらすじ
中学校生活は、後1週間で終わり!
中学8年生の卒業を間近に控えたケイラは、人付き合いが苦手で今まで同級生とも上手く関係を結ぶことができずにいました。
そして卒業式直前のクラス全員のイベント投票で、「クラスで一番無口な子」という不名誉な表彰を授かりショックを受けます・・・本当の自分は、無口なんかじゃない!!
そんな不器用でおとなしい自分を何とか変えようと、Youtubeに動画を投稿したり、SNSでコンタクトをとろうと奮闘するがなかなか上手くいきません・・・ため息をつく毎日です。
ケイラは父子家庭で家の中でも食事に手をつけず、スマートフォンばかり見ています。
心配性の父親は「ケイトお前はイケてるよ、でももっと社交的になった方がいいんじゃないか」と気にかけてくれるが、ケイラにしては余計なお節介だとウンザリしていました。
それでも好意を寄せる男の子にアタックしたり、女の子のパーティーに参加してみたりするものの、やはりコミュニケーションに抵抗を感じてしまい上手くいきませんでした。
ネタバレ
SNSで動画チャンネルを開設しても、閲覧者はほとんどなし・・・。
そんな時、高校の体験入学があり彼女はペアになった年上のオリヴィアに気に入られ、遊びにも誘ってもらえるようになりました。
オリヴィアに誘われてフードコートにいくと、そこには男子高校生が2人いました。
皆と遊んだ後・・・夜になり男子生徒に車で送られた時ゲームに加わりますが、上手く対処出来なかったケイラはからかわれて泣き出しました。
悲壮な顔で帰宅したケイラを見て父は心配しますが、ケイラは自分の部屋にひきこもります・・・そして、次の日「燃やしたいものがある」と言って父のところにやってきました。
父は焚き火をしながら箱の中身を聞きました・・・「中身は何?」
「私の夢と希望よ」とケイラが答えると、ケイラの肩を優しく抱き寄せるのでした。
父はケイラを励まし、ありのままの自分らしさを取り戻せと言い聞かせました。
ケイラは父に励まされ、心の重荷が消えていくのを感じたのです。
そして卒業式の日・・・ケイラは友達に招待され「友達の会」に参加し会話もはずみ、楽しい時間を過ごしました。
高校生になったケイラは、自分へのメッセージを入れたタイムカプセルを庭に埋めました。
『世界でいちばんクールな私へ』、と。
監督とキャスト
監督のボー・バーナムはまだ二十代ですが、本作が映画監督としてのデビュー作です。
高校生のときにYouTubeで自作のコミック・ソングを発信しコメディアンとしてのキャリアの足がかりをつかんだ彼は、自身のSNS体験や心情を映画に反映しました。
SNSの光と影を知り尽くしたバーナムだからこそ、今を生きるティーンのリアルな青春がこの映画に反映されています。
監督デビュー第一作目にして、ボーナムはニューヨーク映画批評家協会賞・新人監督賞を受賞しました。
ケイラを演じたエルシー・フィッシャーは、本作の演技で送映画批評家協会賞・若手俳優賞を受賞しました。
『ダークスカイズ』などで知られるジョシュ・ハミルトンが、娘をやさしく見守るシングルファザーを演じています。
海外の反応や評判
本作はSNS時代の”今”を生きる少女のリアルな葛藤と父子家庭の関係を繊細なタッチで描き、全米の公開時4館から口コミ評判が広がり3週間後には1084館に急拡大されました。
思春期の少女たちの葛藤や恋愛も身近に描かれており、映画批評サイトでも絶賛され社会現象をも巻き起こした本作は、オバマ前大統領も絶讃し自身のベスト映画に選出したことでも話題となりました。
誰しもクールで「イケてる子」を目指しても、理想と現実のギャップはあります。
本作がアメリカで大ヒットしたのも、ケイラのようなパーソナリティに共感できる人がたくさんいることが伺えます。
まとめ
戸惑いの多い思春期には悩みも多く、夢と希望をなくすことも…。
夢も希望も無くしてしまったら・・・また造ったらいい!
本作は、小さいけど大きな一歩を踏み出した少女を応援したくなる映画です!
『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』 2019年09月公開のアメリカ映画
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