「最初から本当のことを言っていたよ」
実在の事件、ピューリッツァー賞受賞記事を映像化。
レイプ被害者の少女は過酷な事情聴取の末、証言を撤回した。
真実が明らかになったのは、証言と酷似する事件が新たに発生した時だった―
『アンビリーバブル たった1つの真実』9/13配信開始。 #ネトフリ pic.twitter.com/4zxpYEVclb
— Netflix Japan (@NetflixJP) August 31, 2019
Netflixオリジナル作品の中でも群を抜いて評価が高いドラマ『アンビリーバブルたった1つの真実』。
性的暴行事件とその捜査という、日本においても大きな課題とされているテーマを真摯に扱った名作として非常に高く評価されています。
ドラマ『アンビリーバブルたった1つの真実』のネタバレや考察、海外の評判についてご紹介します。
(※ 性的暴行がテーマとなっているドラマです)
Contents
ドラマ『アンビリーバブルたった1つの真実』ってどんな映画?
2008年:最初の事件
2008年アメリカ。
身寄りのない子どもを保護する施設で生活しているハイティーンの少女マリーは自室に侵入してきた何者かに性的暴行を受けます。
警察に通報するも、担当の警察官は男性でマリーの被害の様子を根掘り葉掘り「尋問」し、パニック状態に陥っていたマリーは混乱した返答を返してしまいます。
さらに彼女の本来持っている内向的な性格、気の毒な生い立ちから寮母がマリーが被害に遭ったことそのものを疑い始めます。
次第に彼女の証言の信頼性は疑われ、逆に虚偽の通報をしたとして罪に問われる可能性までちらつかされ、彼女は仕事も信頼も失います。
2011年:捜査開始
時は流れて2011年、コロラド州において同じく性的暴行事件が発生、カレン・デュバル刑事が捜査にあたります。
彼女は「尋問」ではなく被害者に配慮した「聞き取り」を行い、被害者も比較的落ち着いて被害状況を彼女に伝え、「大男」「白人」「複数の言語を話す」といった有力な手がかりを得ます。
こうして捜査が始まるのですが、デュバルは同じく刑事である夫から同じような特徴を持つ事件が起こっていることを聞き、違う所轄のグレース・ラスムッセンという刑事とコンタクトを取ります。
ラスムッセンが捜査している事件も、デュバルが捜査している事件と同じ特徴を持っており、二人は共同捜査をすることとなります。
一方その頃、マスコミがマリーの事件を嗅ぎつけ、狂言被害者としてマリーへのバッシングが始まります。
さらに虚偽の証言をしたとして警察がマリーを起訴、彼女は罰金刑を受けることとなります。
そして捜査されているとは露知らず、犯人は暴行事件を繰り返しますが、デュバルとラスムッセンは着実に証拠を積みかさね、大きな手がかりである「手がかりを残さない」、すなわち、何が残ったら不利になるのかがわかっているということ、さらに犯人の車両と思われる「白いマツダ」の発見から捜査は大きな進展を見せます。
マリーの行く末(以降、ネタバレを含みます)
デュバルとラスムッセン、そして二人の部下たちの執念の活躍で犯人逮捕に漕ぎ着けます。
しかし、物語はここでは終わりません。
卑劣なことに、犯人は被害者たちの動画を保存していました。
そしてその動画の一番最初にいたのが、マリーだったのです。
動かぬ証拠がマリーの名誉を回復し、犯人は実質終身刑の長さで(懲役327年)刑務所に叩き込まれ、事件は終わりを迎えるのです。
実際に起こった事件:An Unbelievable Story of Rape
このドラマの原作となっているのが優れた報道に対して送られる国際的な賞であるピューリッツァー賞に輝いた記事” An Unbelievable Story of Rape”。
ジャーナリストのクリスティアン・ミラーとケン・アームストロングの共著です。
ミラーとアームストロングの両氏が別々の性的暴行事件を調べていたところ、なんと同じ犯人に辿り着くというノンフィクションで、ドラマ『アンビリーバブルたった1つの真実』はその過程を忠実になぞっています。
マリーの事件と同じく、被害者の素行から被害を信じてもらえない(unbelievable)という悲劇も実際に起こっています。
マリーのモデルになった方はこのドラマの製作として名を連ね、“マリー”という彼女のミドルネームがクレジットされています。
徹頭徹尾、被害者に寄り添った造りのドラマであると言えるでしょう。
ドラマ『アンビリーバブルたった1つの真実』海外の評判は?
英語圏映画評価サイトRotten Tomatoesの評価では批評家からは98%、観客からは94%という驚異的な好評価の嵐。
「悲痛でかつ力強く、本作は有名な実際の事件を超越し、その被害者に視線を移すことで彼らの物語に救いと重要性をもたらした」
さらにゴールデングローブ賞ではリミテッドシリーズ/テレビ映画部門で作品賞、デュバルを演じたメリット・ウェヴァーとマリーを演じたケイトリン・ディーヴァーが主演女優賞、ラスムッセンを演じたトニ・コレットが助演女優賞にノミネートされています。
惜しくも受賞は逃したものの、その評価の高さがうかがえることと思います。
#Unbelievable is a top tier Netflix show. Some of their best work. I could not stop watching. pic.twitter.com/iM49U95eOP
— Ace Bande is a Witcher (@ace_bande) May 8, 2020
「『アンビリーバブルたった1つの真実』はNetflix作品の中でもダントツ。最高の作品の一つ。見るのが止まらない」
Saw limited series, #Unbelievable(2019) on #Netflix.
It's about a teenager and 2 detectives who try to catch a serial rapist.
The story is a bit slow but the events unfold in an interesting way.
Great and realistic performance by all the female actors.
Good one time watch. pic.twitter.com/uOzxV1tGcD— Riya (@RiyaReviews) May 5, 2020
「…話運びは少しスローだが事件は意外な形で繋がっていく。女優たちによる演技が素晴らしく、かつリアル。見て良かった」
日本でも大いに評価されています!
Netflix 『アンビリーバブル たった1つの真実』コロラドで狡猾なレイプ事件を追う2人の刑事を中心に、いま現実に進行形で社会に存在している性犯罪のありようと危機感を伝えるものだと思う、そしてほんの少しの希望を。『最後の追跡』で感じたNetflixオリジナルの底力をまた見ることができる静かな佳作 pic.twitter.com/xv5LKwn8dI
— 画伯 ∵ (@ttoneho) September 14, 2019
NETFLIX「アンビリーバブル たった1つの真実」観始めた。すごい。目ぇかっ開いて頭に叩き込まなきゃ
性暴行を受けた少女の振る舞いが「普通」で被害者っぽくない。頭が混乱して証言が一貫しない。それでレイプの有無すら疑われ始める
日本よりはまだマシと思われる警察の事情聴取ですらこんなことに… pic.twitter.com/Gytxa82VSG— てんだ葉子 (@tenda102) May 8, 2020
まとめ
日本における性的暴行事件、その捜査、さらに被害者に対するマスコミや周囲による「セカンドレイプ」問題は決して女性だけの問題ではなく、社会全体の問題であると言えるでしょう。
こうした問題を、俳優陣の熱演と優れた画面造りで冷静に、それでいて胸が熱くなる展開で提起することに成功しているのが本作が高評価を受けている所以であることは言うまでもありません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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