Will the truth be uncovered? Binge Seven Seconds this weekend to find out. pic.twitter.com/0DDzHtdUdC
— Seven Seconds (@7SecondsNetflix) March 3, 2018
Netflixオリジナルドラマの中でも評価が高い『運命の7秒』。
原案となっているのはユーリ・ビコフによるロシアの映画『ザ ・メジャー』ですが、本作ではアメリカの病巣ともいえる人種問題に深く切り込んでいます。
ドラマ『運命の7秒』のネタバレや考察、海外の評判についてご紹介します。
(※ 乳児を含む子どもが犠牲になるドラマです)
Contents
ドラマ『運命の7秒』ってどんなドラマ?
轢き逃げ事件の隠蔽
舞台はアメリカのジャージーシティ。
15歳の少年ブレントン・バトラーは雪道を自転車で走っていたところ、身重の妻の見舞いに行くべく気が急いていた麻薬捜査班の刑事ピートが運転する車に撥ねられます。
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— Seven Seconds (@7SecondsNetflix) February 23, 2018
人を殺してしまったと取り乱したピートは上司に連絡し、自首しようと考えます。
しかし驚いたことに上司であるディアンジェロは事件の隠蔽を指示。
というのも、ブレントンは黒人でピートは白人、人種問題に火をつけるとともにメディアの格好のおもちゃになってしまうと考え、ピートも渋々ながらそのアイデアに従います。
誰もがブレントンは死んだと思っていました…しかし、彼は適切な処置さえ受けていれば一命は取り留めていたはず。
雪の中に放置されたブレントンは昏睡状態で発見され、全身麻痺の所謂植物状態に陥ります。
昨日まで元気だったブレントンに突如巻き起こった悲劇を知るに至ってバトラー一家は悲嘆に暮れますが、次第に警察の捜査が不自然なことに気がつきます。
この事件を担当することになった検事補ハーパーも最初こそよくある事件だと思っていたものの彼女も次第に不審な点に危機感を覚え、転勤したての警察官であるフィッシュと捜査を開始するのです。
悲劇の連鎖とブレントンの秘密
一方ピートは罪悪感に苛まれ、生まれた息子のことすら素直に喜ぶことはできません。
しかも目の前には黒人ギャングと麻薬、そして汚職まみれの同僚。
ギャングや少女を殺してピートたちの手はどんどん汚れ、次第に堕落していきます。
仕事に情熱を見いだせずアルコール中毒と性依存症に苦しむハーパーも捜査に行き詰まるたびに苦悩します。
思いやり深いフィッシュはそんな彼女を支え、真実に至る道を模索します。
そして捜査が進むうちにもう一つの疑問がバトラー家の前に立ち現れます。
「ブレントンはどこに行っていたのか」
息子の秘密を前に、家族はもう一つの現実に直面するのです。
アメリカの諸問題
根強い人種差別
このドラマに通奏低音の如く響き続けているのが人種問題です。
検事のハーパーと被害者家族は黒人、警察の面々は白人男性と明らかに人種対立の構図が意図的に描かれています。
そもそもディアンジェロが隠蔽を指示したのはブレントンが黒人だったから。
警察がバトラー一家やハーパーに強く出ることができたのも、黒人と白人という立場が背景にあったからと考えることが出来るでしょう。
もしブレントンが白人だったら、もしピートが黒人だったら、物語は全く違ったものになっていたでしょう。
このドラマが放映されたのは2018年ですが、未だ人種問題は根強く、明確な経済格差に繋がっており、さらにこの格差が昨今の新型コロナウィルス感染症において有意な人種間格差を生み出しているという報道もあります(『新型ウイルス、アフリカ系アメリカ人の感染が深刻 「驚かない」と公衆衛生長官』https://www.bbc.com/japanese/52240100)。
ブレントンの「秘密」
また、このドラマで描かれている問題が、セクシャル・マイノリティの社会的立場に関する問題。
ブレントンはゲイで、出かけていたのも恋人に会うためだったのです。
これだけなら正直今時「ふーん」で終わるのですが、ブレントンの両親は敬虔なキリスト教カトリック信者であり、カトリックでは同性愛は禁忌とされています。
息子が秘密にせざるをえなかった思いを目にした父イザヤは大きな動揺に見舞われます。
「人種差別」「セクシャル・マイノリティ」を取り上げましたが、さらに「アルコール中毒」「家族」等、本作には今日のアメリカにおいて取り沙汰される諸問題がいくつも散りばめられています。
ドラマ『運命の7秒』の海外の評判
英語圏映画評価サイトRotten Tomatoesでは批評家からは77%、観客からは85%の好評価を得ています。
評価の要約をすれば「登場人物たちに好感は持てないが、社会そして人種の残酷なまでの分断が優秀な俳優たちと大胆な語りによって描かれている」とされています。
また、ハーパーを熱演したレジーナ・キングは第70回エミー賞主演女優賞を受賞しています。
A shocked @ReginaKing takes the stage to say thank you for best lead actress in a limited series or TV movie Emmy win: “I wasn’t really expecting this.” #Emmys https://t.co/WHLT5kttrU pic.twitter.com/perOlUu14H
— The Hollywood Reporter (@THR) September 18, 2018
Regina King is King 👑. I Stan 🙌🏾#sevenseconds
— Nkosazana (@milly_matlhoma) April 30, 2020
「まいった、レジーナ・キングこそ王者」
人種問題のテーマに共感する人もいます。
#SevenSeconds tells truths about whose lives matter – and whose don’t – in our nation. Be the change #IStandWithSevenSeconds pic.twitter.com/n9W9ZzonwM
— patrisse cullors (@OsopePatrisse) June 12, 2018
「『運命の7秒』はの我々の国において誰の命が重要で、あるいは重要でないかの真実について語っている。変わらねば。」
途中で視聴やめていたNetflix運命の7秒復活。やっぱり凄く良い。全員が演技派。1話のラストの無言シーンに、アメリカとは何か、そこに住むということは何を意味するのかを感じました。セリフがなくても主人公の気持ちの変化がわかる素晴らしい演出。レジーナ・キング最高。#sevenseconds
— ErinaAusten@海外ドラマ (@erinaaustenusa) February 2, 2019
「運命の7秒」完走🏃♀
これは、面白かった!と気軽に言えない作品だわ…。でも観終わった後、いろいろ議論してしまったので、現実問題を考えるには良い作品だと思う。
いま起きてる問題を正面から見せつけられて、ドラマであっても解決はしなかった。#Netflix #SevenSeconds pic.twitter.com/sK4MZzK8J2
— ろこす (@Locosac) March 2, 2019
まとめ
ドラマ『運命の7秒』についてご紹介しました。
重いテーマであり、かつ冒頭にも述べましたが子どもが犠牲になるシーンがあるドラマですが、社会派ドラマとして一見の価値はあります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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