『マッチスティックメン』のネタバレ考察とタイトルの意味について!どんでん返しが面白い映画!

本作『マッチスティック・メン』は2003年にアメリカで上映された作品。ニコラス・ケイジ扮する強迫神経症を患った腕利きの詐欺師ロイが、親子の絆、仲間との関係、見せかけの偽りの中で本当の自分を見つけていく、サスペンスの要素あり、ヒューマンドラマの要素あり、コメディの要素あり、そして、最後は大どんでん返しの展開に仕上がっています。

人が本来生きていくその真意を、反対側にある見せかけの偽りの中で見つけ出していく、本作はそんな深い、哲学的なテーマを盛り込んだ作品としての要素がある気がします。

本作で監督を手掛けたリドリー・スコットは、物語の最後の部分に原作にはない部分を付け加えています。そして、それこそが本作の魅力が隠されているテーマになっているように思えます。

さっそく、そんな『マッチスティック・メン』に関して、どのような内容で、大どんでん返しとは何なのか?これから解説していきます。お楽しみに・・・。

Sponsored Links

『マッチスティック・メン』とはどんな映画

ニコラス・ケイジを主演に迎え、ローマ帝国時代の剣闘士を描いた歴史映画『グラディエーター』(2000)他数々の大ヒット作を輩出しているリドリー・スコット監督が手掛けた本作

誠実で優しく、話術が得意で腕利きの詐欺師ロイ・ウォラー(ニコラス・ケイジ)、仕事は完璧ですが、実はそれは表向きの顔。彼は極度の強迫神経症で潔癖症。自宅にいる姿はとても深刻で神経質、表向きの顔を知っている誰にも見せられるものではありません。

そんなロイの仕事仲間のフランク(サム・ロックウェル)とは3年前から組んで詐欺を働いており、その腕利きぶりはフランクも称賛するほど・・・。ロイの詐欺師の腕を買っているフランクは、常々大金が舞い込むような大きな詐欺事件をやりたいと思っていますが、慎重派のロイはやることを断り続けています。

ある日、そんなロイたちの元に大富豪の詐欺案件が舞い込み、フランクはロイに一緒にやろうと持ちかけますが、ロイは頑なに断り続けます。そんな中、ロイは自身の強迫神経症を抑えていたはずの向精神薬を排水溝へ流してしまうという失敗を犯し、薬のなくなったロイはとうとう限界を迎え、仕事にも支障をきたすことに・・・・。

そして、ロイは仕方なくフランクに紹介された精神科医の元へと診察を受けに行き、その強迫神経症の原因が14年前に別れた妊娠していた妻との関係に起因しているとして、その娘の存在を知らされることになります。

娘がいることを知り、初めて娘アンジェラ(アリソン・ローマン)と会ってから仕事に意欲を燃やし始めたロイは、フランクが持ちかけていた大富豪の詐欺案件をやることになり、その後展開が急展開を迎えてアンジェラまで巻き込む形になっていきますが、この詐欺案件、蓋を開けてみたら、実はロイが騙されていたということに・・・。フランクも精神科医も娘だと思っていたアンジェラも、実はロイをはめるためのフランクの詐欺仲間だった? 最後は予測もつかない大どんでん返しな展開に・・・・。

タイトルの意味について!

本作のタイトル『マッチスティック・メン』とは、アメリカで使われている俗語で「詐欺師」という意味のようです。一瞬激しく燃えて、その場しのぎのイメージのあるマッチ棒の意味合いがそういった俗語になったのでしょうか。

どんでん返しが面白い映画!

ここからはネタバレ注意ですが、本作の醍醐味は最後にロイが改心して詐欺師を辞めるところにあるのではないでしょうか。原作ではロイが仲間に裏切られて心痛のまま終わるという展開になっていますが、リドリー・スコット監督がそれだと観客の後味が悪いだろうとした強い希望で、最後はハッピーエンドにしたようです。

最後のシーンでは、ロイが真っ当なカーペットの販売員として、夫として未来の父親として、娘だと偽り自分をだましたアンジェラと笑顔で会話して終わっているシーンになっています。希望的ハッピーエンドの要素が加わった終わり方ですね。

『マッチスティック・メン』のネタバレやあらすじ

紳士的で優しく、その巧みな話術で人々の心を癒して騙す腕利きの詐欺師ロイ・ウォラー(ニコラス・ケイジ)は、そんな表の顔とは裏腹に、彼は極度の強迫神経症を患い、そのことが波及して潔癖症も患っていました。

そんなある日、ロイは強迫神経症の薬を飲もうとして水と一緒に流してしまうことに・・・・。薬の力に頼れない彼の精神状態はボロボロになっていき、とうとう仕事どころか、日常生活にも支障をきたすようになってしまいます。

そんな彼を心配した詐欺仲間で相棒のフランク(サム・ロックウェル)は、彼に精神分析医のクレインを紹介します。ロイはクレインの元を訪れて診断を重ねているうちに、彼のその強迫神経症の障害は14年前に妻と離婚したことが原因であり、また、当時妊娠していた妻が無事に娘を出産していることが告げられます。

そしてクレインはロイに病気を治すきっかけになると、現在14歳になった娘のアンジェラ(アリソン・ローマン)と会うことを薦めます。初めはそのことに抵抗したロイでしたが、自分の娘がどのように成長したのか興味を持ち、ついに会うことを決意します。

会うことになった2人は突然現れた家族に困惑しますが、会っていくうちに2人は次第に心を交わしていくことになります。

そんなある日、2人はちょっとしたケンカにより、ロイは自分が詐欺師であることをアンジェラに明かすはめになりますが、アンジェラはそんな彼に驚くべき提案をします。なんと彼女に詐欺を教えてほしいとロイに頼みます。

最初はその提案に強く反対するロイでしたが、次第に彼女の熱意に押されてついには詐欺を教えることに・・・・。

そして、この頃、ロイがフランクから持ちかけられた大規模な詐欺案件を進めていたところ、予定が狂い準備が整わない状態で急きょアンジェラを巻き込むことになってしまいます。

果たして、ロイ、フランク、アンジェラの大規模な詐欺案件は成功するのか。しかし、そんなロイに最後大どんでん返しが待ち受けていることを、この時ロイは知る由もありません。

Sponsored Links

『マッチスティック・メン』のキャストやスタッフ

ニコラス・ケイジ(ロイ・ウォラー役)

1981年に『初体験/リッジモント・ハイ』でニコラス・コッポラ(叔父がフランシス・フォード・コッポラ)としてデビュー。その後、現在の芸名に変更します。芸名の「ケイジ」の由来はマーベル・コミック社のコミック「パワーマン」の主人公ルーク・ケイジから取ったものとされています。

若い頃は叔父のコッポラ監督の甥と呼ばれることを嫌がっており、オーディションを受けても、製作者たちの浴びせる質問は彼についてではなく、叔父のことばかりだったとして、本名のコッポラを名乗らず、あえて“ケイジ”の芸名を使うことにしたと言われています。

1995年の『リービング・ラスベガス』でアカデミー主演男優賞を受賞。オスカー受賞後は芸術的な映画に留まらず、大作映画にも積極的に出演しています。彼をアクションヒーローとして一躍有名にした『コーン・エア』では、恋人を助けるために人殺しをしてしまった軍人、元囚人、正義感溢れるダーク・ヒーローを演じています。

ロマンティックな役柄からアクション満載のヒーロー、あらゆる役をこなして数々の作品に主演してその名を世界に知らしめ、今や知らない人はいない俳優の一人として有名です。

また、ケイジは経営者としての能力も発揮して、サターン・フィルムズ(Saturn Films)という映画制作会社を設立、2000年に『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』に製作者として参加し、2002年には『SONNY ソニー』(Sonny)で監督兼プロデューサーを務めます。

その後も、映画制作会社サターン・フィルムズの共同経営者として、いくつかの作品をプロデュースしています。

サム・ロックウェル(フランク役)

10歳の時に母親が主演する即興コメディで初舞台を踏み、中学卒業後はサンフランシスコ・スクール・オブ・アーツへ進学。卒業前に中退をするも、アウトワード・バウンドスタイルの高校で卒業資格を取得。卒業後はニューヨークへ活動の拠点を移します。

1989年にフランシス・フォード・コッポラが持つ製作会社で製作された低予算ホラー『マニアック1990』で映画デビューを果たすし、同じくしてウィリアム・エスパー・スタジオで演技の基礎を習得し、『ミュータント・タートルズ』(1990年)などの映画に出演してキャリアを積んで実力をものにしていきます。

その後も様々なキャラクターを演じ分け、『グリーンマイル』では狂暴な殺人犯を、『ギャラクシー・クエスト』ではファン相手のコンベンションの司会役を、『チャーリーズ・エンジェル』ではひと癖ある悪役を演じ、俳優としての地位を確立します。

2002年にはジョージ・クルーニーの監督のデビュー作品『コンフェッション』で初主演を飾り、テレビプロデューサーでありCIAの暗殺工員だったと言うチャック・バリスを軽快に演じてベルリン国際映画祭の男優賞を受賞します。

2009年にはデヴィッド・ボウイの息子ダンカン・ジョーンズの長編初監督作である『月に囚われた男』をほぼ全編一人芝居で主役を演じ、2017年公開の『スリー・ビルボード』で共に初ノミネートながらアカデミー賞並びにゴールデングローブ賞で助演男優賞を受賞するなど、その演技が高く評価されます。そして、その翌年には『バイス』でジョージ・W・ブッシュを演じ、2年連続でオスカーにノミネートされた名実ともに知られた俳優

アリソン・ローマン(アンジェラ役)

9歳の時に『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台に初出演。そのわずか2年後に出演したミュージカル舞台『アニー』の演技が評価されて賞を受賞します。

その後高校を卒業後本格的に女優を目指してロサンゼルスへ移りますが、数年は多くのB級映画や低予算のSF映画、テレビ番組や子供向け映画に出演する日々を過ごし、芽がなかなか出ない辛い日々を送ることになります。

しかし、2002年にミシェル・ファイファー、レニー・ゼルウィガーらと共演した『ホワイト・オランダー』で初主演を果たし、その演技が批評家たちから高い評価を受けて、翌年には本作『マッチスティック・メン』のアンジェラ役に大抜擢されます。

2003年にはティム・バートン監督の『ビッグ・フィッシュ』でジェシカ・ラングの若い頃を演じたほか、その後も様々な役をこなしています。

また、俳優だけではなく、声優として参加した宮崎駿監督の日本アニメ『風の谷のナウシカ』では、英語版の吹き替えで主人公のナウシカの声を担当します。

リドリー・スコット(監督)

ウエスト・ハートブール美術大学でグラフィックデザインや絵画、舞台美術を学び、その後、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートに進学し、グラフィック・デザインを専攻、卒業後はBBCにセット・デザイナーとして入社

やがてドキュメンタリーやテレビドラマの演出をするようになりますが、テレビディレクターに限界を感じて退社。CFの制作会社を設立します。数多くのCFを制作し、各国の国際映画祭で数々の賞を受賞。手がけたCFの本数は1900本以上に上ります。

デビュー作『デュエリスト/決闘者』(1977)ではカンヌ国際映画祭新人監督賞を受賞、1979年の監督作『エイリアン』の世界的大ヒット以降は、活動の拠点を米国に移します。

フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を映画化し、『ブレードランナー』(1982)では、映像化が困難とされていた原作を卓越した手腕で描き、数多くのファンを獲得し監督としてのその名を有名にします。

1億ドルを超える制作費と破格の宣伝費を費やした大作『グラディエーター』(2000)では第73回アカデミー賞作品賞並びに第58回ゴールデングローブ賞ドラマ部門作品賞を受賞。興行的にも世界的大ヒットを記録し、名実ともに不動の地位を確立。2003年にはナイトの称号を授与されています。

2015年、『オデッセイ』で、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 2015・監督賞を受賞。作品としては主演男優賞、脚色賞も受賞。ゴールデングローブ賞 映画部門 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門)を受賞します。

まとめ

人は悪いことをすると自分で自分を裁くと何かの本で読みました。犯罪者は犯罪の痕跡を残していくということが、そのことを表しているようですね。

本作の主人公が精神的に病んでしまい、そして、信頼していた仲間に裏切られて一文無しになり、身も心も傷つき人間不信に陥ってしまったことは偶然ではなく、必然だったのかもしれません。

嘘をついて善意の人々をだまし続けた結果、自分自身の悪事を裁かずにはいられなくなってしまったのでしょう。

ですが、そんな中でも希望というものはあり、改心して善人になれば幸せが待っているということを、あるいは、本作では教えてくれているのかもしれません。

Sponsored Links



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)